乱射男は超異常学生だった
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米史上最多32人の犠牲者を出したバージニア工科大の銃乱射事件で、犯行後に自殺した同大学の韓国人学生チョ・スンヒ容疑者(23)はほかの学生へのののしりと怒りにみちたメモを残し、ゆがんだ鬱屈(うっくつ)した感情を暴発させて犯行に及んだ。一方で購入した銃の製造番号を消すなど用意周到な“殺人計画”だったことも明らかになった。 貧乏生活がイヤだ、とアメリカンドリームを夢見て渡米した韓国一家の息子は、結局アメリカ社会になじめずに凶行に及んだのか。交友関係も希薄で他人とのかかわりを避け続けたチョ容疑者の、ゆがんだ性格を裏付けるいくつもの証言が明らかになった。 2005年秋ごろ、チョ容疑者は講義中に教室内の学生の写真を無断で机の下から隠れて撮影。この異常行動に英語教授が大学当局に通報していたことが分かった。また詩や脚本などの創作の講義で「死」をテーマに選んだり、学生にわいせつ行為をした先生を殺す物語を書き、その文面の中には「この太ったブタめ」「お前は小児愛者だ」などと攻撃的な言葉が並んでいたという。 さらに同容疑者が過去にメンタルヘルスの治療を受けたことがあったことも分かり、今後、異常行動の報告を受けながら具体的な措置をとらなかった大学当局に批判の声が上がりそうだ。 18日付ワシントンポストによると、約70人が受講していた創作の講義でチョ容疑者を恐ろしく感じた学生の受講ボイコットが相次ぎ、講義に7人しか出席しない事態も起きていた。 以前のルームメートには自殺の話や、「自分はこれまで3人の女性をストーカーしたことがある」などと話していたというチョ容疑者。いつも何かに腹を立てている様子で学内で声を掛けられても返事すらせず、「教授が質問しても決して言葉を発しなかった」と異常な態度を裏付ける証言が相次いだ。 最初の男女2人を殺害後、次の大量殺人の前の2時間の間に自室では「金持ちのおぼっちゃん」「ペテン師め」らとののしる“犯行メモ”を書き残していた。 |