4月21日16時16分配信 産経新聞
【ワシントン=有元隆志】米バージニア工科大学での銃乱射事件で、
韓国人学生のチョ・スンヒ容疑者の家族が事件後初めて、 謝罪するとともに、 当局の捜査に協力するとの声明を出した。 一方、韓国の駐米大使が事件を受けて「韓国人社会は悔い改めるべきだ」と 発言したことが波紋を広げている。 AP通信によると、 同容疑者の姉、チョ・スンキョンさんは「私の家族は、 弟が起こした言葉で言い表すことのできない行為を大変申し訳なく思う。 (事件の起きた)16日以降、毎日父、母とともに(犠牲者のために)祈っている」と述べた。 同容疑者については「静かで控えめだったが、 (周囲に)とけ込むのに葛藤(かっとう)があった。 あのような暴力を起こすなんて想像できない」とし、 「当局にできることは何でも協力する」と強調した。 1992年に韓国から米国に移住したチョ容疑者の家族はバージニア州でクリーニング店を経営。 スンキョンさんは米国務省のイラク復興部門の請負業者として働いているという。 一方、韓国の李泰植駐米大使は17日夜、 バージニア州で行われた追悼礼拝に出席したなかで、 「この衝撃的な惨劇を機に、韓国人社会は自らを見つめ直し、 悔い改め、米国人社会と緊密な関係を築くべきだ」と語った。 大使は事件で学生・教員32人が死亡したことから、 32日間の断食を交代で行うことも提案した。 この発言が、反発を受けるなど、 韓国人社会で波紋を広げている。 韓国系米国人大学生の団体「ミレ基金」のエイドリアン・ホン事務局長は20日付の米紙ワシントン・ポストに寄稿し、 「韓国系米国人は謝罪する必要はない。 大使が謝罪をするのは不適切だ」と批判した。 |
4月20日12時0分配信 時事通信
【ソウル20日時事】20日付の韓国紙・中央日報は、
米バージニア工科大学で起きた銃乱射事件のチョ・スンヒ容疑者は子供のころ、 家族と共にバージニア州に移住してから、 家庭が裕福ではなかったため、 疎外感を感じていたようだったと報じた。 また、勉強と運動が得意だったが、 友達との会話は少なかったという。 元同級生によると、 チョ容疑者が小中学生当時、 暮らしていた地域は中流層以上が多く住んでいた。 韓国人同級生のほとんどは外交官や商社員を親に持ち、 経済的に恵まれない同容疑者は消極的な性格になっていたようだという。 |
4月20日12時0分配信 時事通信
【ワシントン19日時事】米CBSテレビは19日、
バージニア工科大学乱射事件のチョ・スンヒ容疑者が高校時代にいじめに遭っていたとの元級友の証言があると報じた。 同容疑者は10代に受けたいじめ体験から社会に対する不満やうっ屈を募らせていった可能性がある。 CBSによると、 ワシントン郊外にあるバージニア州の高校に通っていたチョ容疑者は極端に引っ込み思案だった上、 話し方がおかしいなどとして、 級友から常にいじめられていた |
4月21日3時3分配信 読売新聞
【ブラックスバーグ(米バージニア州)=白川義和】米バージニア工科大の銃乱射事件で、
韓国人学生チョ・スンヒ容疑者(23)が犯行に使った2丁の銃のうち1丁をインターネットを通じて購入していたことが20日、分かった。 米ウィスコンシン州に事務所があるインターネット銃器店の店主はAP通信に対し、 米当局からの照会で、チョ容疑者に2月に売った銃が凶器に使われたことを知ったと語った。 価格は268ドル(約3万2000円)だったという。 チョ容疑者はこの銃を大学近くの質屋で受け取っていた。 一方、米NBCテレビは19日、 捜査当局者の話として、 銃撃現場から弾倉17個が見つかったと報じた。 弾丸33発入りの弾倉もあり、 捜査当局者は「チョ容疑者は200発以上乱射したとみられる」と語った。 |
米バージニア工科大銃撃事件のチョ・スンヒ容疑者の姉が、
母校であるプリンストン大学のキリスト教の会を率いる韓国系牧師と親しい友人を通じて、
今回の事件について立場を表明したと、
プリンストン大学新聞「デイリープリンストン」が19日、
電子版で報じた。
同紙によると、プリンストン大学で10余年間、
アジア系米国人で構成されたキリスト教の会を率いてきたデビッド・キム牧師は18日、
韓国系米国人学生会が主催した討論会に出席し、
「今朝、チョ容疑者の姉から電話があった」と明らかにした。
金牧師は「姉は弟の行動がもたらした結果について罪責感を感じており、
この事件でプリンストン大学内の韓国人が受けた否定的な影響について謝罪した」と伝えた。
また「姉は『英語があまりできない家族に代わって数日以内に公開声明を発表しようと考えている』と話した」と付け加えた。
デイリープリンストンは、
17日にチョ容疑者の姉に電話をしたが、
姉は対話を拒否し、
18日には電話がつながらなかった、と説明した。
ABC放送によると、
チョ容疑者の姉は米国政府の下請け業者で働いており、
17日から休暇中という。
ソンギョンさんは2000年にセントビル高校を卒業し、
ニュージャージー州の名門プリンストン大学で経済学を学んだ。
2004年に卒業してからは実家のあるセントビルで両親と生活しながら職場に通っている。
事件直後、
米国のマスコミはソンギョンさんが国務省の極東問題担当局の支援員として働いていると何度も報じた。
しかし後になって彼女はイラク支援事業で国務省の仕事を請け負う企業に勤務していることが明らかになった。
これについて国務省のマコーミック報道官も「ソンギョンさんは国務省が直接採用した職員ではない」と明らかにした。
ソンギョンさんが通う会社はバージニア州スプリングフィールドに本社があり、情報の管理や分析、
言語支援、プログラム支援などのサービスを行っており、
国務省、エネルギー省など政府省庁の仕事を主に請け負っている。
ソンギョンさんの同僚は「事件の衝撃で無期限の休暇中だと聞いている」と語った。
ソンギョンさんは大学時代、
海外インターンシップに参加した時の経験を校内新聞に掲載したことがある。
同紙は2003年11月24日付けの記事でソンギョンさんら5人の学生の海外でのインターン生活を紹介している。
ソンギョンさんは3年生を終えた年の夏休みにバンコクの米国大使館経済部で無償のインターン生として仕事をしながらタイの劣悪な労働現場を見て回った経験を紹介した。
同紙とのインタビューでは「タイとミャンマーの国境地帯にある工場ではミャンマー出身の少女たちが小さな手で服や陶磁器を作る様子に衝撃を受けた」
「卒業論文のテーマもこれに関連した内容に変更した」と語った。
タイでのインターン経験については「人生で最も驚異の時間だった」と語っている。
その後、ソンギョンさんは2001年9月11日のテロ事件で衝撃を受けた若者の治療を助けるために発足した「プリンストン機構」のメンバーとなり、
ボランティア活動も行った。
こうして名門大学を卒業し、
いい職場に就職した彼女のアメリカンドリームは今回の事件を機にどう変わってしまうのだろうか。
李智恵(イ・ジヘ)記者
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乱射男は超異常学生だった
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米史上最多32人の犠牲者を出したバージニア工科大の銃乱射事件で、犯行後に自殺した同大学の韓国人学生チョ・スンヒ容疑者(23)はほかの学生へのののしりと怒りにみちたメモを残し、ゆがんだ鬱屈(うっくつ)した感情を暴発させて犯行に及んだ。一方で購入した銃の製造番号を消すなど用意周到な“殺人計画”だったことも明らかになった。 貧乏生活がイヤだ、とアメリカンドリームを夢見て渡米した韓国一家の息子は、結局アメリカ社会になじめずに凶行に及んだのか。交友関係も希薄で他人とのかかわりを避け続けたチョ容疑者の、ゆがんだ性格を裏付けるいくつもの証言が明らかになった。 2005年秋ごろ、チョ容疑者は講義中に教室内の学生の写真を無断で机の下から隠れて撮影。この異常行動に英語教授が大学当局に通報していたことが分かった。また詩や脚本などの創作の講義で「死」をテーマに選んだり、学生にわいせつ行為をした先生を殺す物語を書き、その文面の中には「この太ったブタめ」「お前は小児愛者だ」などと攻撃的な言葉が並んでいたという。 さらに同容疑者が過去にメンタルヘルスの治療を受けたことがあったことも分かり、今後、異常行動の報告を受けながら具体的な措置をとらなかった大学当局に批判の声が上がりそうだ。 18日付ワシントンポストによると、約70人が受講していた創作の講義でチョ容疑者を恐ろしく感じた学生の受講ボイコットが相次ぎ、講義に7人しか出席しない事態も起きていた。 以前のルームメートには自殺の話や、「自分はこれまで3人の女性をストーカーしたことがある」などと話していたというチョ容疑者。いつも何かに腹を立てている様子で学内で声を掛けられても返事すらせず、「教授が質問しても決して言葉を発しなかった」と異常な態度を裏付ける証言が相次いだ。 最初の男女2人を殺害後、次の大量殺人の前の2時間の間に自室では「金持ちのおぼっちゃん」「ペテン師め」らとののしる“犯行メモ”を書き残していた。 |